【日程】2023年3月11日~12日
【3月11日 柄沢山】
【メンバー】L立田、くま、結城、萩原、笹井、藤原、藤川、KK、斎藤
【コースタイム】5:00 清水集落(610m) - 10:50 柄沢山(1900m) - 11:30 滑走開始(1770m)- 12:20 清水集落(610m)
【天候】快晴 無風
【報告者】斎藤
前泊した石打ユングパルナスを4時に出発し30分ほどで登り口となる清水の集落に到着。
数百メートル手前の巻機山への登山口付近には2-30台の車が停まっていたが、こちらは我々を先頭に数台。ルートの長さや標高差、斜度もそれほど違わないのに、知名度の違いでここまで差が出るものかと感じる。
まだ暗い5時に歩き始めると、この時期にしては気温は低く、またここ数日降雪がないため足元は固い。歩き始めると間もなく堰堤に行き当たる。雪が十分にあれば堰堤の中央を歩いて通れるそうだが、今回は雪が切れている。例年のこの時期と比べ、1mほど積雪が少ないそうだ。
堰堤を左から越えると、その後は沢筋を上がっていくのだが、その先で痛恨のルートミス。本来の予定ルートでは1250m付近で左側の斜面から緩やかに高度を上げていくのだが、そのまま沢づたいに1350mまで上がってきてしまった。とはいえわざわざ引き返すわけにもいかず、予定よりも急な目の前の斜面を上がっていく。コンディションが悪くなければなんとかシールで登れそうな斜度ではあるものの、固く締まった雪面を相手に、クトーやアイゼンを駆使しながらどうにかこうにか登ることに。
装備が統一できていなかったこともあり、ここで中断せざるを得ないメンバーが出てしまったことは反省点である。1700m付近からはようやく予定ルートに復帰し、10:20頃に1800mの稜線に到達、柄沢山山頂1900mには10:50に到着した。
その後、稜線を引き返し、11:30頃1770mより滑走開始。雪は強い日差しを受けようやく緩んできたところで、まさにベストタイミング。滑り出しは春らしい気持ちのいいザラメを堪能することができた。一方、標高が下がるにつれ雪は重くなりストッピングスノーに。
固い斜面の急登で酷使した脚には負担が大きく、こまめに脚を休ませながら12:20頃にスタート地点へと無事戻ることができた。
今回の標高差1300mのルートは、自分としてはこれまでで最もハードであったが、スプリットボードではなくスキーを選択したこともあり、無事にやり遂げることができた。どちらの道具も一長一短あるが、今回の経験を経て参加できる山行の幅が広がったことは間違いなく、今後も様々な山行に挑戦していきたい。
【3月12日 浅草岳 ムジナ沢滑走】
【メンバー】L藤原、立田、くま、結城、萩原、笹井、藤川、KK、斎藤
【コースタイム】5:30 大自然館(490m) - 10:00 前岳(1568m) - 10:20 浅草岳本峰(1585m)- 10:45
前岳西側よりムジナ沢へ滑降(1540m)- 12:30 浅草岳山荘(510m)
【天候】晴れ 無風 (主稜線上のみ微風)
【報告者1】KK
前日の柄沢山から移動して双子キャビン(石打)に宿泊。早朝2:00起床し、2:30朝食、3:30出発予定が、宿泊施設駐車場の位置に問題あり、宿のご主人、他の宿泊者の方を起こして車の移動をお願いすることになってしまった(前日、宿には出発時刻と車の位置を確認していたのだが)。また、大人数のパーティということの自覚が足らず、出発準備時の騒音で他の宿泊者の方にご迷惑をお掛けしてしまったようで、お詫びと反省するしかない状態で予定時間を過ぎての出発となってしまった。
5:30 大自然館(入広瀬)@490mを出発し、朝日を浴びながら浅草岳を目指す。天気が良かったこともあるだろうが、人気の山であることは駐車時の車の多さ(時間的に駐車困難ではなかったが)、山スキー、登山者と多くすれ違かったことからうかがえる。前日の疲れもある中、メンバーのみなさんはサクサクと涼しげに登られていて己の体力のなさを痛感。藤原さんに励まされながらなんとか前に進む。
10:00 前岳@1568m到着し、萩原さん、KK以外のメンバーは浅草岳ピーク@1585.5mを踏んで前岳に再集合し滑降開始。ムジナ沢源頭からの大斜面は晴天の中、緩いザラメ雪の素晴らしいコンディションで気持ちよく滑ることが出来た。
ムジナ沢沿いを滑降して650m付近で南西方向に浅草岳山荘を目指し12:50到着、下山完了。車をデポしていた大自然館までの歩きは結構あるなと思っていたら、浅草山荘で車中泊し寝坊して山行を諦めた単独行の方が大自然館まで送ってくれた(メンバーのどなたかの日ごろの行いの良さですか)。帰路、小出IC近くの「神の湯」で昼食&疲れた体を癒し解散、各自帰路へ。未熟ながらも楽しい山行であったこと、山行メンバー皆様のお気遣いに感謝しております。
【報告者2】斎藤
AM2時に起床。前日は20時前に就寝したこともあり、それほど無理なく起きることができた。食堂では別団体が前夜からの宴会を撤収するところであり、始発前後の繁華街のような独特の雰囲気の中、朝食に肉うどんを食べ、4時前に宿を出発した。
福島県との県境でもある浅草岳までは宿から1時間弱の道のり。アクセスの悪さから、それほど多くの登山者はいないものと思っていたが、登山口に着いた5時の時点で約20台が停まっており、さすが300名山、山スキー100山としての人気の高さが伺えた。
5:30頃に歩き始めると、30分ほどで空が明るくなってきた。3月も中旬になると日の出は思った以上に早く、春を実感する。前日と比べて暖かく、早々に中間着やアウターシェルを脱ぐメンバーも多い。シールも効きやすく歩きやすい反面、斜度のきついトラバースでは足元が崩れて歩きにくい場面も少なくなかった。ルート上は終始トレースがはっきりついており、スキーよりは登山者が多いように感じる。アイゼンもしくはツボ足で20cm~30cmの深さのトレースも見られ、改めて山スキーのメリットを実感した。
ドロップポイント近辺となる前岳には10:00頃に到着。約1100mを四時間半で登ったことになる。さすがに本峰と前岳を結ぶ主稜線上ではやや風を感じたものの、天候は晴れて安定。素晴らしい眺望が得られ、人気の高さもうなずけた。1585mの山頂まで気持ちよく往復した後、滑走準備に取り掛かった。
主稜線からの斜面は十分な斜度のある広大なオープンバーンであり、3月ならではの最高のザラメを堪能することができた。あっという間に数百メートルを落とすと、徐々に雪が引っかかるようになってくる。雪の表面はやや茶色く、黄砂か何かが乗っているようだ。沢の形が視界に収まるほどに深くなってくると、いよいよ脚は重くなり、呼吸を整え水分を補給しながら、少しずつ標高を落としていった。
後半はデブリや水の流れも随所に見られ、沢底を避け左右にルートを探しながら、約2時間弱をかけてゴールとなる浅草山荘に到着した。スタート地点の大自然館に車を取りに行ってくれたメンバーには感謝しかない。
おそらく翌週には雪が切れているところも多く、同じようなルートの取り方はできないだろうと感じた。
全体としては約7時間強の行程で素晴らしい眺望と最高のザラメを堪能した大満足の山行となった。
【立田まとめ】 2日間、良きメンバーと好天とに恵まれ、予定の2山とも登れてとてもグッドな山行を満喫。 しかし、まだ3月前半というのに1ヶ月はズレたかのような春山満開状態に地球温暖化をひしひしと実感。雪はまだ概ねたっぷりあったけど沢筋の下部は1週間後には雪が消えて手こずるのではと感じた。 初日、柄沢山では斎藤さん報告の通り、装備の不揃いにより、途中退却となったメンバーが出たのは反省点。いつも計画書に参考として個人装備を示しており、基本、個人判断に委ねている。そうはいっても春以降の山では朝の堅雪などあり、クトーも山アイゼンも必須、そこを自明のことと端折らずにはっきりきちんと事前に明示すべきだったと大いに反省。
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